1975年にセントラルアメリカンヨーヨーが日本で誕生しました。当時の日本はキャラクターやアニメーションの大ブーム時代。本企画は当時を知らない世代の5人のプロフェッショナルと鈴木裕之が昭和(70年代)への思いや受け継がれている事などを語ります。
第四回は 海賊印刷 岩井清志さんです。
司会:岩井さん、まずは子供の頃見ていたアニメーションは何でしたか?
岩井:昭和49年生まれなので、もちろん戦隊ものやウルトラマン…あとタイムボカンシリーズ…など見ていましたが、どちらかと言えば再放送に興味がありました。
鈴木:再放送ですか?東京の再放送…どんなアニメーションがありましたか?(鈴木氏は愛知出身)
岩井:学校に行く前に「みなしごハッチ」とか「ビッケ」とかを見てから登校みたいな。いわゆるテレ東が、昭和49年にフジテレビの権利を買って、再放送していたんですね。
鈴木:ん~知らないタイトルです。
岩井:あっ、1975年と言えば日本はヨーヨーブームでもあって、アニメーションでもヨーヨーは取り上げられていましたよ。「コンバトラーV」はヨーヨーが武器で超電磁ヨーヨー、あと「ガッチャマン」「ポールのミラクル大作戦」でもヨーヨーは大事なアイテムとして出てきました。
鈴木:「コンバトラーV」は何となく聞いたことはありました。そのグッズなんて…持ってないですよね…。
岩井:さすがにその辺は興味が無かったので、すみません。
司会:子供の頃キャラクターグッズにも興味はありましたか?
岩井:まぁ一通り。皆さんと一緒で超合金とかソフビは持ってました。でも収集するとかでは無いです。
鈴木:何か収集されている物があるとお聞きしたのですが?
岩井:先ほど話した「ビッケ」(タイトルは「小さなバイキング ビッケ」)のグッズを山ほど持っています(笑)
鈴木:「ビッケ」のグッズですか?ピンポイントですね。
岩井:最初はキャラクターの指人形を死ぬほど集めていたんです。指人形をコレクションするっていう基盤だったんです。指人形を買いに行くには古いおもちゃマーケットに行くのですが、行った中でたまたま「ビッケ」のカブト(ヘルメットの様な物)を見つけて、衝動買いしました。現在もガチャガチャなどで指人形は存在しているのですが、「ポケモン」だったり「ガンダム」など新しく特に興味のないキャラクターも追いかけているうちに指人形熱が冷めていくんですよ…。で指人形やフィギアを処分し始めた時に、一緒に購入した「ビッケ」のグッズを見て、自分がアニメーションを見て思い入れもあったので、集めてみようかな?と軽い気持ちで色々調べ始めたんです。そうしたらビッケが30周年を迎えると。グッズを大量に作っているタイミングだったんです。グッズをまとめて買って、一気にフェイドアウト、フェイドインみたいな感じです。
司会:指人形、どんなキャラクター物があったんですか?
岩井:「サザエさん」があって、「ストツー」とか藤子不二雄のものもありました。古くは「ミラーマン」とか
「マジンガーZ」とか…薬局でもらえる「ケロちゃん」もありますね。形も色々です。指がすっぽり入る大きい物もあります。
鈴木:集めるの大変そうですね。指人形収集家は存在しますか?
岩井:いますよ。何人かは今でも繋がってます。
鈴木:そもそも「ビッケ」とはどの様なアニメーションですか?
岩井:1974年、フジテレビ水曜日の19:00に放送してました。今で言うゴールデンタイムですね。
鈴木:平日のその時間帯でアニメ放送するんですね。
岩井:スウェーデンの小説で日本がアニメーションにしました。海賊が仲間と冒険をする物語です。ちなみにワンピースの作者も「ビッケ」が好きで海賊の物語を描いたと言ってます。機転が利く主人公のビッケが問題を解決していきます。それ以外のキャラクターは特に能力が無い設定です。海賊という一番野蛮な人種なのに暴力嫌いというか臆病という設定が妙というか。暴力に訴えるのではなく、最後必ず握手で終わるんですよね。やられたらやり返せの昭和テイストでは無いですね。
実は最近もスウェーデンで作った「ビッケ」のアニメーションを吹き替えで、日本で上映したんですけど、上映初めてすぐに公開終了しちゃいました。残念なことに同時期に鬼滅が公開されました…。
今Amazon PrimeやDVDで普通に見れます。是非見てください。
全員で岩井さんのコレクションルームに
鈴木:凄い…。こんなにグッズってあるんですね…。
岩井:昔のテレビなんかも置いて、昭和テイストを演出しました。
鈴木:これがカブトですか。奇麗な状態で残っているんですね。
司会:これだけのグッズを集めるの大変ですよね。今でこそインターネットで検索出来ますけど。情報収集はどの様にして?
岩井:そうですね。日本中のアンティークショップやフィギア店、玩具店などを回って集めました。あと2009年にドイツでビッケの実写版があるのがわかって、1人でドイツにも行きました。もちろんグッズも販売されていたので一通り買いました。あとはドイツのマーケットもそうですが、同時期に台湾に遊園地ができるんです。「ビッケ」が好きだったオーナーが遊園地を復興させるために「ビッケ」をキャラクターとして使用するんです。ベルギーでは「ビッケ」遊園地が4つあったりとか…。それぞれ現地に行ってグッズを買ってくるって言うことをしてグッズを集めました。ご覧の様に結構な数のグッズが集まってのでギネスに申請してみたところ、通って認定されました。
ちょっと宣伝していいですか?
司会:どうぞ!
今年のGWのイベントに、昭和49年当時の「ビッケ」の線画を使って、バッグとかカップなど初めて作ったグッズを小田急のイベントで販売します。僕が作った手ぬぐいとか指人形も、そのイベントで販売するのでお時間のある方は是非お越しください。
司会:最後に今後の目標などあれば。
岩井:とにかく「ビッケ」の普及に力を注ぎます。現在はターゲットが50代~60代なんですが、イラストもカワイイので今後は「ビッケ」を知らない若い人にも知ってもらえる様にイベントやグッズを販売しようと考えています。
鈴木:お子さんが興味を持ち、それを親が説明する。そんな形もありですね。
岩井:はい。
ワンピースを知ってる人たちにとっては元ネタとして知ってもらったり。
サブスクをやってる人はビッケを検索して見てもらったり。
あと2年で放映50周年なので、その時にはもうちょっと大きい動きができたらなと思ってます。
今度は大きいソフビ作りたいですね。大きなバイキング。
6年続けてきているビッケの同人誌も続けていきます。
ありがとうございました。